旧基準で治癒と診断された先端巨大症患者は,新基準治癒群より綿密なモニタリングが必要か

公開日:

2016年11月13日  

最終更新日:

2017年6月9日

Reevaluation of Acromegalic Patients in Long-Term Remission according to Newly Proposed Consensus Criteria for Control of Disease.

Author:

Verrua E  et al.

Affiliation:

Endocrinology and Diabetology Unit, Fondazione IRCCS Ca' Granda Ospedale Maggiore Policlinico, Milan, Italy.

⇒ PubMedで読む[PMID:25587273]

ジャーナル名:Int J Endocrinol.
発行年月:2014 
巻数:Epub
開始ページ:

【背景】

2010年に先端巨大症の新たな治癒基準(正常IGF-1かつGH底値0.4μg/L以下)が公表され,2000年の旧基準(正常IGF-1かつGH底値1.0μg/L以下)より厳しいものとなった.旧基準で治癒と判定された患者はどのような内分泌学的,臨床的プロフィールを示すのか,旧基準で治癒と判定後平均17.2年間経過観察された先端巨大症患者を対象に検討した(n=40).

【結論】

最終追跡時,GH底値が0.4μg/L以上であったのは11 例(Group A)で,0.4μg/L以下は 29 例 (Group B)であった.Group Bにおいては,旧基準で治癒と判定した段階より,最終追跡段階ではGH基礎値,GH底値とも有意に低下していた.臨床所見,神経画像所見,糖代謝, 合併症など,Group AとGroup Bに差はなかった.旧基準で治癒と診断された先端巨大症患者が,新基準で治癒と判定された患者と比較して特に綿密なモニタリングが必要とは考えられない.

【評価】

本研究の対象となった40例中10例で放射線照射が行われている事実に注意が必要であるが,先端巨大症の旧治癒基準(正常IGF-1かつGH底値1.0μg/L以下)で治癒と判断された群のうち7割以上が新治癒基準で治癒と判定されることは注目すべき事実である.また最終追跡時にGH底値が0.4μg/L以下の群とそれ以上の群で耐糖能異常や心血管障害等の合併症の頻度や程度に差がないことも重視すべきである.
著者らは現在のGH測定系ではGH底値が0.4μg/L以下を条件とする新治癒基準は厳しすぎるのではないかと指摘する.この疑問に答えるために,大規模なコホート研究が必要である.

執筆者: 

有田和徳

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