Vol.1, No.3, P.11 公開日:
2016年12月18日最終更新日:
2021年3月17日Current drug withdrawal strategy in prolactinoma patients treated with cabergoline: a systematic review and meta-analysis.
Author:
Jintao Hu et al.Affiliation:
Department of Neurosurgery, XinQiao Hospital, Third Military Medical University,Chongqing, People's Republic of Chinaジャーナル名: | Pituitary. |
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発行年月: | 2015 Oct |
巻数: | 18(5) |
開始ページ: | 745 |
【背景】
プロラクチン産生下垂体腺腫に対するカベルゴリンの有用性については,疑いのないところとなっている.内服を続けている限り,ほぼ全例でプロラクチン値の正常化と腫瘍の制御が得られる.ではカベルゴリンは止められるのか,だとすればどのような条件下でか.本稿は中国第三軍医大学のHuらのメタ解析の結果である.2014年までに発表されたカベルゴリン中止後の再発に関する記述がある論文を対象とした.
【結論】
ランダム効果メタ解析では,カベルゴリンが中止された患者のうち65%(95%CI:55〜74)において高プロラクチン血症が再発した.ランダム効果回帰メタ解析では,中止前のカベルゴリン量の最低値と中止の成功(高プロラクチン血症の再発なし)が相関しており(p=0.006),投与期間2年以上は関係なかった(p=0.587).中止前のカベルゴリンの投与量が最小で,腫瘍径が大きく縮小していた患者では,中止成功の可能性が最も高かった(p<0.001).
【評価】
予想された結果である.カベルゴリンを中止する前に,その投与量を十分下げることができた症例は,カベルゴリンを中止しても,その後のプロラクチン値の再上昇はなかった.言い換えれば「プロラクチンの値を見ながらカベルゴリンの投与量を減らしていって、カベルゴリン最小量でもプロラクチン値が正常範囲内に入っていれば、中止しても良いでしょう。逆に、高用量カベルゴリンを2年以上投与していたからといって、急に止めたらだめです」という、それがどうしたという当たり前の結論だが,これまで十分なエビデンスはなかった.
執筆者:
有田和徳関連文献
- Effect of cabergoline, a dopamine agonist, on estrogen-induced rat pituitary tumors: in vitro culture studies. Eguchi K, et al. Endocr J. 42:413,1995
- In vivo effect of cabergoline, a dopamine agonist, on estrogen-induced rat pituitary tumors. Eguchi K, et al. Endocr J 42:153, 1995
- Individualized high-dose cabergoline therapy for hyperprolactinemic infertility in women with micro- and macroprolactinomas. J Clin Endocrinol Metab. 95:2672, 2010
参考サマリー