先端巨大症治療後のGHとIGF-1の正常化の乖離:メタ解析の結果

公開日:

2017年1月19日  

最終更新日:

2017年5月9日

The ongoing challenge of discrepant growth hormone and insulin-like growth factor I results in the evaluation of treated acromegalic patients: a systematic review and meta-analysis.

Author:

Kanakis GA  et al.

Affiliation:

Department of Endocrinology, Athens Naval & VA Hospital, 70 Deinokratous Street, 11521 Athens, Greece.

⇒ PubMedで読む[PMID:27292418]

ジャーナル名:Clin Endocrinol (Oxf).
発行年月:2016 Nov
巻数:85(5)
開始ページ:681

【背景】

先端巨大症治療後に,成長ホルモン(GH)とIGF-1の一方が正常化し,もう一方が正常化しないという乖離現象はしばしば経験する.本稿では1987〜2013年の期間における39編の論文(症例数5,626例)をレビューし,先端巨大症治療後のGHとIGF-1の正常化が乖離する頻度,その乖離に影響を及ぼす因子について検討した.

【結論】

①先端巨大症治療後のGHとIGF-1の正常化が乖離する頻度は25.7%であった.IGF-1の非正常化症例(High IGF-1:15.3%)が,GHの非正常化症例(High GH:11.1%)より多かった.
②高感度GH測定を用いた場合,乖離の頻度が高かった(30.7%).特にHigh IGF-1の頻度が高かった.
③2010年のコルチナコンセンサスに基づく厳格な治癒基準を採用した場合,乖離の頻度が高かった(29.8%).
④ソマトスタチンアナログを投与した場合,乖離の頻度が高かった(32.5%).特にHigh IGF-1の頻度が高かった.

【評価】

本稿では先端巨大症治療後のGHとIGF-1の正常化の乖離は1/4の症例に認められることが示された.興味深い点は,GHの正常化基準が厳格になった2010年のコルチナコンセンサスに基づいた場合,乖離の頻度がさらに高くなった点である.GHの正常化基準を厳しくしても,GHとIGF-1の正常化の乖離は解消されないことがわかる.
本稿では上記のような乖離を認める症例は注意深く経過をみるよう勧められているが,その乖離が経時的にどのように推移するのか検討されていない.2016年広島大学からの報告では,High IGF-1の場合は数年内にIGF-1の正常化が得られることが多く,High GHの場合はGHが徐々に上昇したり,腫瘍再発が確認された例もあるとされている(文献1).

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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