McCune-Albright症候群におけるGH過剰症の臨床的特徴と治療

公開日:

2017年2月10日  

最終更新日:

2017年5月8日

Clinical characteristics and management of growth hormone excess in patients with McCune-Albright syndrome.

Author:

Yao Y, Liu Y  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, Peking Union Medical College Hospital, Chinese Academy of Medical Science, Peking Union Medical College, Beijing, China.

⇒ PubMedで読む[PMID:28007843]

ジャーナル名:Eur J Endocrinol.
発行年月:2017 Mar
巻数:176(3)
開始ページ:295

【背景】

McCune-Albright症候群は線維性骨異形成,皮膚カフェオレ斑,多発性内分泌疾患(思春期早発症など)を主徴候とするまれな遺伝子疾患である.McCune-Albright症候群において,GH産生下垂体腺腫(GHoma)が合併する頻度は必ずしも高くはないが,頭蓋顔面骨の異形成により腫瘍摘出術は困難とされてきた.本稿ではMcCune-Albright症候群52例を対象とし,合併したGH過剰症の臨床的特徴と外科治療について検討した.

【結論】

①GH過剰症は13例(25.0%)に合併し,男性に多かった(10例76.9%).13例中9例で,MRIで下垂体腺腫(GHoma)を確認できた.
②GH過剰症を合併した症例では,100%で線維性骨異形成を伴い,蝶形骨の異形成も46.1%に認めた.視神経管,耳管の骨異常により視覚障害を6例(46.2%),聴覚障害を5例(38.5%)に認めた.
③一方,GH過剰症を合併していない症例(39例)では,線維性骨異形成は76.9%に認め,蝶形骨の異形成は15.4%にすぎなかった.視神経管,耳管の骨異常による視覚障害は2例(5.1%),聴覚障害は3例(7.7%)と少なかった.
④骨代謝を示すALP ZスコアはGH過剰症を合併した症例で有意に高く,GH過剰症の寛解により有意に低下した.
⑤GHoma 9例に対してナビゲーションガイド下に経蝶形骨洞腫瘍摘出術を施行し,6例で寛解が得られた.残り3例は術後オクトレオチドLARによる治療でコントロール可能となった.

【評価】

GNAS遺伝子の活性化変異を背景とするMcCune-Albright症候群は1〜10/100万人という稀な疾患である.25年という長期間とはいえ,単一施設で52例を経験したという北京協和医科大学病院の高い症例集積力にまず驚かされる.
McCune-Albright症候群は25%にGH過剰症を合併し,非合併例より線維性骨異形成を伴う頻度が高く,それに伴う視覚・聴覚異常の頻度も高いとされている.つまり,線維性骨異形成の進行を抑制するには,GH過剰症のコントロールが重要ということになる.
一方,薬物療法のみによるGH過剰症のコントロールの難しさや,GHomaに対する放射線治療に伴う,2次性悪性骨腫瘍のリスクも述べられている.さらに,本症では,蝶形骨の線維性異形性症を伴うことも多く,経蝶形骨洞的手術アプローチには困難が予想される.また,McCune-Albright症候群は10歳以下の小児期に発症する疾患である.したがって,McCune-Albright症候群に伴うGHomaに対しては,ナビゲーションシステムなどの手術支援機器のみならず,熟練した術者による手術が必須である.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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