ドパミンアゴニスト治療により,長期間にわたりプロラクチンの正常化を維持しているマクロプロラクチノーマでは,MRIフォローアップは不要である

公開日:

2017年2月11日  

最終更新日:

2017年5月8日

MRI follow-up is unnecessary in patients with macroprolactinomas and long-term normal prolactin levels on dopamine agonist treatment.

Author:

Castinetti F  et al.

Affiliation:

Aix Marseille University, Assistance Publique Hopitaux de Marseille, La Conception Hospital, Marseille, France

⇒ PubMedで読む[PMID:28073906]

ジャーナル名:Eur J Endocrinol.
発行年月:2017 Mar
巻数:176(3)
開始ページ:323

【背景】

PRL産生下垂体腺腫(PRLoma)においては,薬物療法が第一選択であり,治療は長期間にわたる.その間,定期的なMRIを行うべきか否かは,これまで明確な根拠が示されていない.
本稿ではドパミンアゴニスト(DA)により4年以上PRL値の正常を維持したMacro-PRLoma(>10mm)115例において,定期的なMRIが有用であったかを後方視的に検討した.対象は男性63例,女性52例,平均腫瘍径は21mmで,Giant-PRLoma(>40mm)は対象外とした.

【結論】

①DAの内訳はcabergoline 73例,quinagolide 21例,bromocriptine 21例であった.平均治療期間は9.7年.
②102例(88.7%)で腫瘍の縮小を認め,11例(9.5%)で腫瘍の大きさに変化を認めなかった.最終追跡時に29例(25.2%)でempty sellaを認めた.
③21例(18.3%)でDA治療中にMRI上の腫瘍内出血を認めたが,全例で無症候であった.女性で有意に頻度が高かった.
④無症候性出血を認めた21例中,腫瘍の増大を認めたのは2例であった(最大径+7mmと+2mm,増大は治療開始6カ月後と24カ月後のMRIで確認).

【評価】

「そうでしょう!!」という結果.でも,現場では「念のため」と2〜3年に一回くらいMRIが実施されているのが実態と思われる.
一方,PRLomaは腫瘍体積と血清PRL値が相関するといわれており,コントロール良好なPRLoma症例において,定期的なMRIは不要ではないか,と誰もが感じている.本稿では追跡中に増大はわずか1.7%で,最大増大は7mm,しかもDA投与早期に限られており,その根拠を示す結果となった.
対象は全てのPRLomaではなく,腫瘍径10mm以上,40mm以下で,PRL値の正常化を長期間維持している症例に限られているが,無駄なMRI検査を省ける可能性が示された.
一方,本稿でも触れられているが,最終追跡時にempty sellaではなかった残りの症例では,PRL値が正常化していても腫瘍の残存が確認されており,生涯にわたって全くMRI検査を行わなくてよいのかについては議論の余地があると思われる.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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