先端巨大症に対するソマトスタチンアナログの治療効果予測にはT2-weighted MRIの定量的評価が有効である

公開日:

2017年2月11日  

最終更新日:

2017年5月8日

Quantitative analyses of T2-weighted MRI as a potential marker for response to somatostatin analogs in newly diagnosed acromegaly.

Author:

Heck A  et al.

Affiliation:

Section of Specialized Endocrinology, Department of Endocrinology, Oslo University Hospital, Oslo, Norway

⇒ PubMedで読む[PMID:26475495]

ジャーナル名:Endocrine.
発行年月:2016 May
巻数:52(2)
開始ページ:333

【背景】

GH産生下垂体腺腫(GHoma)において,MRI T2強調画像(T2)のsignal intensity(SI)は以前より注目され,T2-SIと顆粒形成パターン,T2-SIとソマトスタチンアナログの治療効果との関係についてすでにいくつか報告されている.
本稿ではGHoma 58例において,T2-SIを定量的に評価し,さらに腫瘍におけるT2-SIの均質性(homogeneity)も評価した.

【結論】

①T2-SIの定量的評価によって,T2-SIが低いと(T2 low),治療前のGH・IGF-1値が高く,腫瘍は小さく非浸潤性である.オクトレオチドの投与により,GH・IGF-1は低下し,腫瘍体積は縮小しやすい傾向がある.
②T2-SIの定量的評価によって,T2-SIが均質であると(homogeneous),治療前のGH値が高い.オクトレオチドの投与により,GH・IGF-1は低下しにくく,腫瘍体積は縮小しにくい傾向がある.
③Sparesely granuated typeはT2-SIが高かった(T2 high).

【評価】

本稿ではT2-SIを定量的に計測したが,以前より報告されてきた内容を支持する結果であった.すなわち,T2-SIが低い腫瘍はGH, IGF-1値は相対に高く,オクトレオチドが効きやすい.T2低値の腺腫にdensely granulated typeが多いことを反映しているのであろう.T2-SIの量的評価と視覚による評価では,オクトレオチドによるGHomaの治療効果予測に差がないことも示された.2016年ShenらもT2-SIを定量的に評価し,ソマトスタチンアナログの治療効果とT2-SIの関連性について本稿と同様の結果を示している(文献1).
GHomaに対するオクトレオチドの治療効果を予測する因子として,T2-SIが有用であることは確かなようであるが,T2-SIが腫瘍細胞の何を反映しているのか,また本稿でいうT2-SIの均質性とは何を意味するのか,今後明らかにされなければならない.
また,T2-SIとパシレオチド(SSTR5と強く結合する)の効果との関係も知りたいところである.Shenら(2016)はT2-SIの低い腫瘍(T2 low)でソマトスタチンレセプター5(SSTR5)の発現が高いことを示している.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する