IgG4関連下垂体炎にはcorticotrophに対する抗下垂体抗体が存在する

公開日:

2017年2月28日  

最終更新日:

2017年5月8日

Anti-pituitary antibodies against corticotrophs in IgG4-related hypophysitis.

Author:

Iwama S  et al.

Affiliation:

Department of Endocrinology and Diabetes, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya 466-8550, Japan

⇒ PubMedで読む[PMID:27896569]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2016 Nov
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

IgG4関連疾患は,高IgG4血症とIgG4陽性形質細胞の多臓器への浸潤を認める炎症性疾患であり,その好発部位の1つとして下垂体が知られている.IgG4関連下垂体炎を含め,IgG4関連疾患の病態はまだ明らかにされていない.
本稿ではIgG4関連下垂体炎の患者17例と,コントロール17例(他疾患8例,健常人9例)において,ヒト下垂体を用いた間接蛍光抗体法(IIF)により(文献1),抗下垂体抗体の有無とそのIgG subclassについて検討した.

【結論】

①抗下垂体抗体は5/17例で検出された.一方,コントロール17例では1例も検出されなかった.ラット下垂体を用いたIIFでは,抗下垂体抗体は検出されなかった.
②IgG4関連下垂体炎の患者で認められた抗下垂体抗体はcorticotrophのみを認識した.
③抗下垂体抗体のsubclassを解析すると,IgG1は全例,IgG2は3例,IgG3は1例に認められたが,IgG4は1例も認められなかった.

【評価】

IgG4関連疾患では高IgG4血症を認めるが,IgG4自体が病態にどのように関与しているのか不明な点が多く,病態の主因ではないとも考えられている.
本稿の結果は上記内容を支持し,さらにIgG4関連下垂体炎の病態に下垂体に対する自己免疫が関与している可能性を明らかにした.また,corticotrophのみに対する抗下垂体抗体の存在はIgG4関連下垂体炎の診断マーカーとなりうる可能性も示されている.
一方,抗下垂体抗体が検出されたのはIgG4関連下垂体炎患者の半数以下であり,IgG4関連下垂体炎の病態解明にはさらなる研究が必要と考えられる.

執筆者: 

木下康之

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