非機能性下垂体腺腫術後の残存腫瘍に対するガンマナイフ:術後早期か待機後か 第2弾

公開日:

2017年3月5日  

最終更新日:

2017年4月25日

Treatment of Non-Functional Pituitary Adenoma Post-Operative Remnants: Adjuvant or Delayed Gamma Knife Radiosurgery?

Author:

Sadik ZHA  et al.

Affiliation:

Gamma Knife Center, Elisabeth-Tweesteden Hospital, Tilburg, The Netherlands

⇒ PubMedで読む[PMID:28108427]

ジャーナル名:World Neurosurg.
発行年月:2017 Jan
巻数:100
開始ページ:361

【背景】

非機能性下垂体腺腫手術後の残存腫瘍や再発腫瘍に対するガンマナイフには,腫瘍制御効果が知られている.しかし,ガンマナイフを行う適切な時期については明らかにされていない.
本稿では早期照射群13例(術後6ヵ月以内の照射)と晩期照射群37例(術後6ヵ月以降の照射)について,追跡期間40ヵ月(中央値)で後方視的に検討した.

【結論】

腫瘍制御率は早期照射群92%/10年,晩期照射群96%/10年で差は認めなかった.一方,ガンマナイフ後に下垂体機能が温存された率は早期照射群82%/10年,晩期照射群49%/10年であったが,有意な差は認めなかった(p=0.597).ガンマナイフ後の新たな尿崩症,神経症状の出現は両群ともに認めなかった.

【評価】

Pituitary Summaryにおいての既報の論文(文献1)とは,晩期照射群で下垂体機能障害が出現しやすいという点は一致している.一方,文献1では晩期照射群では照射後の腫瘍増大のリスクが早期照射群に比べて高いという報告であったが,本研究では腫瘍制御率は両群で変わりなかった.本稿では文献1と比較し,早期照射群の症例数が少なく,さらに追跡期間も短いことが影響している可能性がある.
本稿において,非機能性下垂体腺腫手術後に残存腫瘍を認めたのは158例で,その内,56例がガンマナイフ(本研究対象),30例が分割照射,そして72例が経過観察中となっている.つまり,ガンマナイフ治療を行った症例は限られており,残存腫瘍を認めた患者の半数近くは経過観察で済んでいることになる.
非機能性下垂体腺腫手術後の残存腫瘍に対するガンマナイフの照射時期については更なる検討が必要である.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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