先端巨大症患者では手術後SF-36「精神的側面」が改善する

公開日:

2017年3月24日  

最終更新日:

2017年4月25日

Changes in quality of life in patients with acromegaly after surgical remission - A prospective study using SF-36 questionnaire.

Author:

Fujio S  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University, Kagoshima, Japan

⇒ PubMedで読む[PMID:27681883]

ジャーナル名:Endocr J.
発行年月:2017 Jan
巻数:64(1)
開始ページ:27

【背景】

手術による寛解が先端巨大症患者の日常生活に与える影響を評価するため,SF-36を使用して手術前,術後1年目にQOLを評価した.また,近年,寛解基準が厳格化しているが,新しい寛解基準を満たすことが,QOLにどのような影響を与えるかについても調査した.

【結論】

①治療前の患者は,「役割/社会的側面」のスコアが,健常人と比較して低下していた.
②術後,「精神的側面」が有意に改善した.
③術後IGF-1が正常化した患者の中で,OGTTによるGH底値が0.4ng/ml未満を達成した群と,そうでない群との比較では,術後のQOLに差はなかった.

【評価】

手術前,患者の「身体的QOL」は健常人と大きな差はなく,精神的,また社会的な面での低下が目立った.実際,腫瘍からの過剰なGH分泌が,身体機能を維持していることもあるのではないだろうか.術後,精神的側面が改善したのは,手術単独で寛解を維持できている満足感からかもしれない.ただ,薬物療法後のQOLを評価した報告でも,同様に精神面での改善効果が得られたとされている.近年の新基準を満たす群と,そうでない群との間で術後のQOLに差は認められなかったが,41名と少数での検討であること,術後1年目での評価であることから,新基準を達成することの臨床的意義については,さらに大規模で長期間の追跡が必要と思われる.またSF-36は国民標準値が設定されており,健常人と比較できるメリットがあるが,疾患特異性が低いことが難点である.現在,先端巨大症患者の症状に特化した新しいQOL評価法(AcroQoL)の日本語訳が開発されており,今後の報告が待たれる.

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