Vol.2, No.2, P.10 公開日:
2017年4月21日最終更新日:
2020年12月13日Epidemiology of acromegaly: review of population studies.
Author:
Aikaterini Lavrentaki and Niki Karavitaki et al.Affiliation:
Endocrine Unit, ARETAIEION Hospital, Faculty of Medicine, National and Kapodistrian University of Athens, Athens, Greeceジャーナル名: | Pituitary. |
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発行年月: | 2017 Feb |
巻数: | 20(1) |
開始ページ: | 4 |
【背景】
先端巨大症の発生頻度に関する報告は多いが,必ずしも一定の値に収束しているわけではない.UKのKaravitakiらは,2004〜2016年に発表された住民ベースの研究論文のレビューを行いこの点の解明を試みた.
【結論】
解析の対象とした論文は12本で,韓国からの1本を除いてすべてヨーロッパからの報告である.全有病率は2.8〜13.7/10万人で発症率は0.2〜1.1/10万人/年.発症年齢中央値は50歳代で,発症から診断までの遅れは4.5〜5年であった.男女差はないとする報告が多かった.末端肥大と顔貌の粗造化が最も多い臨床症状であった.
【評価】
有病率は,対象人口の最も少ないアイスランド(32万人)からの報告が最も高くて13.7/10万人,逆に対象人口が最も多い韓国(4846万人)からの報告が最も少なくて2.8/10万人であった.その差は約5倍である.これが人種差に基づくのか,調査の手法によるのかは不明である.ちなみに12報の情報源は,保険請求データ,主要病院の登録データ,かかりつけ医(GP)の登録データ,全国的保健・疾病データ,内分泌専門医からの情報等と多岐にわたっている.日本からは1995〜2005年の宮崎県において,有病率は8.4/10万人,年間発生率は0.5/10万人/年と報告されている.本研究で報告された有病率,発生率の概ね中央付近であることは興味深い.
執筆者:
有田和徳参考サマリー