非機能性下垂体腺腫の再発に対して,再手術は妥当か?

公開日:

2017年5月6日  

最終更新日:

2017年5月4日

Primary versus revision transsphenoidal resection for nonfunctioning pituitary macroadenomas: matched cohort study.

Author:

CJ. Przybylowski  et al.

Affiliation:

Departments of Neurosurgery, University of Virginia Health System, Charlottesville, Virginia

⇒ PubMedで読む[PMID:27203142]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 Mar
巻数:126(3)
開始ページ:889

【背景】

非機能性下垂体腺腫(NFPA)に対する再手術は,正常構造の喪失,組織間の癒着などにより,初回手術と比べて手術リスクが高いと報告されてきた.しかし,最近の報告では再手術のリスクは初回手術と同程度との報告もされており,詳細は不明である.
本稿では年齢,性別,追跡期間をマッチさせたマクロNFPAの初回手術群46例と再手術群50例において,手術合併症と再発率について後方視的に検討した.

【結論】

①手術合併症は初回手術群で術後SIADHの頻度が有意に高かったが(原因は不明),その他の合併症は両群において差を認めなかった.
②腫瘍の全摘出率は初回手術群において63%で,再手術群(28%)より有意に高かった.術後の視機能の回復率に差は認めなかった.
③術後の腫瘍制御率は両群において差は認めなかったが,術後に放射線治療を行った症例は再手術群で有意に多かった.

【評価】

本稿は上記の結果から,NFPAにおける再手術には慎重で,放射線治療を勧める内容であった.非機能性下垂体腺腫に対する定位放射線治療の有効性,安全性は他の論文でも示されており,NFPAの再発例に対して放射線治療を選択することに異論はない.
一方,本稿での再手術例の症状を見ると,視機能障害が56%,脳神経麻痺が14%,合わせて70%の症例において腫瘍によるmass effectが生じており,放射線治療ではなく再手術が選択された理由が伺い知れる.
NFPAの再発例に対して,全症例に放射線治療が適切であるとは考えにくく,再手術を選択すべき症例があることも理解しておく必要がある.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

関連文献


メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する