Ki-67,PTTGの高発現は下垂体腺腫の再発・再増大を予測する因子である

公開日:

2017年5月20日  

最終更新日:

2017年5月20日

Expression of cell cycle regulators and biomarkers of proliferation and regrowth in human pituitary adenomas.

Author:

Gruppetta M  et al.

Affiliation:

Division of Endocrinology, Department of Medicine, Faculty of Medicine and Surgery, Mater Dei Hospital, University of Malta, Malta

⇒ PubMedで読む[PMID:28342098]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2017 Jun
巻数:20(3)
開始ページ:358

【背景】

下垂体腺腫における再発・増大の病態については,いまだ不明な点が多く,正確に予想することは困難である.本稿では下垂体腺腫症例(74例)において,Ki-67,pituitary tumor transforming gene(PTTG),vascular endothelial growth factor(VEGF),cyclin D1,c-MYC,pituitary adenylate cyclase-activating peptide(PACAP)蛋白発現を,免疫染色を用いて測定し,臨床所見との関係を検討した.

【結論】

① 下垂体腺腫の再発・再増大例でKi-67,PTTG(nucleus)が有意に高発現し,さらにPTTG (nucleus)の発現はKi-67,c-MYCの発現と正の相関を示した.
② Cyclin D1は腫瘍が大きい例,海綿静脈洞進展例で有意に高発現した.一方,c-MYCの発現は年齢と腫瘍の大きさに負の相関を示した.
③ ラット成長ホルモン産生下垂体腺腫細胞(GH3)の培養系においては,オクトレオチド投与によりPttg geneと蛋白の発現とCyclin D1 RNAの発現が有意に抑制された.

【評価】

下垂体腺腫の再発・再増大の予測は,術後のMRIや追加治療を決定する上で臨床的に重要である.現在まで下垂体腺腫においてKi-67が細胞増殖能のマーカーとして用いられてきたが,Ki-67陽性率のみで腫瘍の再発や再増大を予測することには否定的な報告もある.著者らはPTTG (nucleus)が腫瘍の再発・再増大に関する重要なマーカーとして期待しているが,その陽性率を見ると非再発・非増大群で0.1%(0.0〜0.2)に対し,再発・再増大群で0.2%(0.1〜0.5)(p=0.026)と非常にわずかな差しか認められていない.PTTGによって腫瘍の再発・再増大を予測することは一般的には難しいかもしれない.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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