若年者の下垂体病変に対する放射線治療は新たな脳腫瘍発生のリスクを高める

公開日:

2017年5月21日  

最終更新日:

2017年5月21日

Radiotherapy, Especially at Young Age, Increases the Risk for De Novo Brain Tumors in Patients Treated for Pituitary/Sellar Lesions.

Author:

Burman P  et al.

Affiliation:

Department of Endocrinology, Skånes University Hospital, University of Lund, 20502 Malmö, Sweden

⇒ PubMedで読む[PMID:28359095]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2017 Mar
巻数:102(3)
開始ページ:1051

【背景】

放射線照射(RT)に伴う二次性脳腫瘍の発生は,放射線治療の重篤な合併症の1つとして知られている.しかし,その発生頻度は低く,また発生までの期間は数十年に及ぶこともある.本研究ではRT群3236例,非RT群が4927例を対象として,下垂体疾患における二次性悪性脳腫瘍と髄膜腫の発生頻度とリスクファクターを後方視的に検討した.疾患の内訳は下垂体腺腫が76%,頭蓋咽頭腫が19%.RTの内訳はconventional RT 86%,stereotactic RT 10%,ガンマナイフ 2%,その他 2%.

【結論】

① 二次性悪性脳腫瘍は17例に発生し,うち13例がRT群であった.RTから腫瘍発生までの期間は中央値27年.RT群は非RT群と比較し悪性脳腫瘍発生リスクは3.34倍.
② 二次性髄膜腫は27例に発生し,うち22例がRT群であった.RTから腫瘍発生までの期間は中央値22年.RT群は非RT群と比較し髄膜腫発生リスクは4.06倍.
③ RTの施行時期が10年早くなるに従い,悪性腫瘍の発生リスクは2.4倍,髄膜腫の発生リスクは1.6倍となった.

【評価】

本稿では下垂体病変に対する放射線治療が二次性脳腫瘍を惹起し,若年ほどそのリスクが高いことを明らかにした.下垂体病変に対する放射線治療の際には十分に考慮すべき事実である.
本稿の問題点としては,放射線治療の内訳がconventional RTに大きく偏っている点,照射量・照射範囲が検討されていない点が挙げられる.本稿の内容は下垂体病変に対するconventional RTに伴う二次性脳腫瘍として理解すべきで,近年のガンマナイフやサイバーナイフによる二次性脳腫瘍の発生のリスクについての検討これからの課題である.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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