微小下垂体腺腫(クッシング病)の検出に有用なMRI撮像法

公開日:

2017年5月27日  

最終更新日:

2017年5月26日

Comparison of MRI techniques for detecting microadenomas in Cushing's disease.

Author:

Grober. Y  et al.

Affiliation:

Department of Neurological Surgery, University of Virginia Health Science Center, University of Virginia, Charlottesville, Virginia

⇒ PubMedで読む[PMID:28452619]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 Apr
巻数: [Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

クッシング病において微小な下垂体腺腫をMRIで検出できるかどうかは,治療成績に大きな影響を及ぼす.本研究ではクッシング病と診断された131例のうち,初回MRIで腫瘍がはっきり検出できなかった57例を対象とした.MRIは①conventional MRI(CMRI),②dynamic MRI(DMRI),③spoiled-gradient echo 3D T1 sequence(SGE)(= SPGR,VIBE)を撮像し,それぞれの腫瘍検出率について比較検討した.

【結論】

① 手術により48/57例で腫瘍組織を確認できた.
② CMRIでは18例で陽性(検出),1例で偽陽性.CMRI+DMRIは23例で陽性,2例で偽陽性.CMRI+SGEでは26例で陽性,3例で偽陽性.全検査(CMRI+DMRI+SGE)ではCMRI+SGEと同じ結果であった.
③ DMRIのみで陽性であったのは2例,SGEのみで陽性であったのは2例だった.

【評価】

クッシング病における微小腺腫の検出にSGEが有効であることは以前より報告されている.本稿の特徴としては初回MRIで腫瘍を検出できなかった症例を対象としたこと.各シークエンスによる腫瘍検出率のみではなく,各検査の組み合わせによる検出率の差異も明らかにしたことである.
本稿ではSGEが腫瘍検出率を高めることを示したが,DMRIのみでしか腫瘍を検出できない症例が存在したことも示した.また,本研究ではMRI撮像のプロトコール上,DMRI後にSGEを行っているが,造影剤の注射後直ちにSGEを撮像すれば,さらに腫瘍検出率が上がる可能性も指摘している.
ただ現段階では,これだけ詳細なMRIプロトコールでも47例中22例は,手術で腺腫が確認出来たにもかかわらず,術前画像診断は出来なかったということであり,ここにACTH産生微少腺腫の画像診断の困難さが示されている.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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