先端巨大症の術後治癒:新基準と旧基準群で代謝指標に違いはない

公開日:

2017年6月14日  

最終更新日:

2017年6月14日

No differences in metabolic outcomes between nadir GH 0.4 and 1.0 ng/mL during OGTT in surgically cured acromegalic patients (observational study).

Author:

Ku CR  et al.

Affiliation:

Endocrinology, Internal Medicine, Yonsei University College of Medicine,Seoul

⇒ PubMedで読む[PMID:27310957]

ジャーナル名:Medicine (Baltimore).
発行年月:2016 Jun
巻数:95(24)
開始ページ:e3808

【背景】

2010年以降,先端巨大症の術後寛解基準としてIGF-1の正常化と成長ホルモンGH底値≦0.4 ng/mL以下が用いられている(新基準).しかし,2000年の旧基準(IGF-1の正常化,GH底値≦1.0 ng/mL)で治癒と判断された患者と,新基準で治癒と判断された患者の間に違いがあるのか議論が続いている.延世大学のKim SHらのグループは,手術後に旧基準で治癒と判定された患者157例を新基準治癒群136例(R1)と成長ホルモンGH底値0.4〜1.0群でかつIGF-1の正常化(R2)21例に分けて,手術後1年目までの代謝指標を比較した.

【結論】

いずれの群においても,体重,血中インスリン濃度,血糖,経口糖負荷試験中の遊離脂肪酸,HOMA-%β,HOMA-IRは術後す早く改善し,その低下は12ヵ月間持続した.これらの指標の改善はR1群とR2群の間で差はなかった.

【評価】

この観察研究は,先端巨大症の治癒を2010年の新基準で厳しく定めたことで何が変わったのだろうかという臨床現場の率直な疑問に根拠を与えるものである.
今後,より大きな患者集団をベースに,R1・R2の二群間で,下垂体機能低下症の出現率,糖・脂質代謝異常,悪性腫瘍の発生率,腫瘍の再発率がどう異なっているのか長い長いフォローアップを通じて明らかにされなければならない.
少なくとも現段階では,新基準を達成することを目標に過剰な手術操作を行ってGHD(成長ホルモン分泌不全症)や尿崩症を起こすようなことは避けた方が賢明だと言える.
R2群の患者に機械的に薬物療法を行うことも慎重であるべきと思われる.

執筆者: 

有田和徳

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