先端巨大症治療中のIGF1濃度はGH分泌能の指標にならない

公開日:

2017年6月14日  

Correlation between GH and IGF-1 during treatment for acromegaly.

Author:

Oldfield EH  et al.

Affiliation:

Department of Neurological Surgery, University of Virginia, Charlottesville, VA

⇒ PubMedで読む[PMID:27858572]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 Jun
巻数:126(6)
開始ページ:1959

【背景】

先端巨大症治療前・治療後の血中成長ホルモン(GH)濃度とIGF-1濃度の相関についての検討は少ない.Virginia大学のOldfieldらは414のGH・IGF-1測定値ペアを用いてその相関を求めた.

【結論】

GH濃度が1 ng/mLまでは,IGF-1濃度はGHと直線的に相関して増加した.IGF-1 ZScoreはGH濃度が1 ng/mLまで相関し,1〜10 ng/mLの間ではIGF-1 ZScoreの増加率は次第に減衰し,10 ng/mLで頭打ち(plateau)になった.ただし,GHがどの濃度でIGF1値の増加が頭打ちなるかの閾値,同一のGH値におけるIGF-1値,同一IGF1濃度でのIGF-1は症例毎で,大きな違いが認められた.IGF-1 ZScoreがGH濃度と直線相関するGHの最高値は以前に考えられていたよりはるかに低い.

【評価】

Oldfieldらがのべるように,IGF-1は成長ホルモンの総分泌量と成長ホルモンの肝細胞における活動を反映するが,成長ホルモン産生腺腫が分泌するのはGHであってIGF-1ではない.かれらは先端巨大症の活動性を評価するためにはIGF-1でなくGHの測定が必要であることを述べている.従来GH 10 ng/mL前後までは,IGF-1が相関すると報告されていたので,Oldfieldらのこの報告は,新鮮である.
臨床現場の感覚でも,確かに高感度測定法でGH濃度が5〜10 ng/mL以上になれば,IGF-1濃度はplateauに近くなるので,成長ホルモン産生腺腫の活動性の指標にならない.しかし,それ以下のGH濃度ではIGF-1はGH濃度に比較的良く相関するように思われる.
おそらくOldfieldらは,手術後GH値が5〜10 ng/mL以上で,追加治療が絶対必要な患者群を意識している可能性が高い.経験豊富な外科医の手にかかれば,大部分の症例では手術後のGH値は5 ng/mL以下になるのが普通であるので,測定条件で変動するGH濃度より,同一症例内で測定間の差が少ないIGF-1の方が,臨床的活動性を的確に反映しているように思われる.特に,術後寛解と判定された症例におけるIGF-1-SD値の単回の上昇は,GH値の持続的な上昇と伴に,再発の重要な指標である.今後,この観点から,大規模な患者集団での臨床研究が望まれる.

執筆者: 

有田和徳

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