FDG-PETによる間脳下垂体腫瘍の鑑別は可能か

公開日:

2017年6月29日  

Preoperative Evaluation of Sellar and Parasellar Macro-lesions by Fluorine-18 Fluorodeoxyglucose Positron Emission Tomography.

Author:

Tosaka M  et al.

Affiliation:

Departments of Neurosurgery,Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Gunma, Japan

⇒ PubMedで読む[PMID:28427982]

ジャーナル名:World Neurosurg.
発行年月:2017 Apr
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

ドック健診のFDF-PETで偶然に下垂体腺腫が発見されることはあるが,下垂体部腫瘍の術前検査としてFDG-PETを行う事は少なく,腫瘍の鑑別における意義は不明である.群馬大学のTosakaらは10mm以上の大きさの下垂体部腫瘍49例でその意義を検討した.

【結論】

使用したパラメーターは腫瘍のmaximum standardized uptake value(SUVmax),大脳皮質平均取り込みに対する腫瘍のSUVmax(T/N ratio),大脳白質平均取り込みに対する腫瘍のSUVmax(T/W ratio)の3種類.
下垂体腺腫に対して脊索腫,ラトケ囊胞では3種類のパラメーターとも低く,非機能性下垂体腺腫では成長ホルモン産生腺腫に対して3種類のパラメーターとも高かった.頭蓋咽頭腫では,adamantinomatous typeはsquamouspapillary type より3種類のパラメーターがより高かった.

【評価】

脊索腫,下垂体腺腫,ラトケ囊胞の鑑別はルーチンMRIやCT検査でもかなりの程度可能であるし,非機能性下垂体腺腫と成長ホルモン産生腺腫の鑑別はホルモン検査で十分である.間脳下垂体腫瘍の鑑別におけるFDG-PETの意義はどこにあるのだろうか.頭蓋咽頭腫の病理学的2亜型の鑑別が術前に推測可能であることの意義はどこにあるのだろうか.
本研究は,術前鑑別診断という臨床的な意義よりは,in vivoでの腫瘍の糖代謝の観察結果が,今後の腫瘍の動態・病態解明につながるかも知れないという意義の方が重要と見た.特に,非機能性下垂体腺腫と成長ホルモン産生下垂体腺腫の糖代謝の違い,頭蓋咽頭腫における遺伝子変異と糖代謝の関係は,これから重要なテーマとなり得る.

執筆者: 

有田和徳

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