PRLomaに対するドパミンアゴニストを中止できる症例は?(第2弾)

公開日:

2017年11月11日  

最終更新日:

2017年11月10日

Best candidates for dopamine agonist withdrawal in patients with prolactinomas.

Author:

Ji MJ  et al.

Affiliation:

Department of Internal Medicine, Seoul National University College of Medicine, 101 Daehak-ro, Jongno-gu, Seoul 03080, Republic of Korea.

⇒ PubMedで読む[PMID:28710724]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2017 Jul
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

PRLomaに対してドパミンアゴニスト(DA)による薬物療法は広く行われるようになり,薬物療法を中止できる症例の検討もなされている.前回当サイト(Pituitary summary)ではポルトガルからの論文を一遍紹介したが(参考文献1,4),今回は同じPituitaryに掲載された韓国からの論文を紹介する.
JiらはDAによってPRL値の正常化が得られ,DA投与を中止したPRLoma 89例(女性62例,男性27例)を対象とし,薬物療法中止後も長期間の寛解が得られる予想因子を後方視的に検討した.

【結論】

PRLoma 89例のうち,マクロPRLomaが59例.ブロモクリプチン投与が69例(投与期間は中央値85ヵ月),カベルゴリン投与が20例(投与期間は中央値26ヵ月).薬物療法中止後の追跡期間中央値は23.9ヵ月であった.DAの中止後も寛解を維持した症例(非再発例)は38例(42.7%)であった.
再発例と非再発例を比較すると,非再発例ではDA投与中のPRL底値が低く,DA投与中の腫瘍径が小さく,腫瘍体積減少率が大きく,MRIで腫瘍が認められない率が高かった.
結論としてDA中止後に長期寛解が得られる可能性が高い症例は,①治療期間>72ヵ月,②DA投与中のPRL底値<1ng/dL,③MRIで腫瘍が認められない,を満たす症例であった.

【評価】

既報のPituitary Summaryでも述べたが,PRLomaにおけるDA中止の基準として2つのガイドラインがある.1つ目は2006年Pituitary Society guideline(参考文献2)より,①3年以上のPRL値の正常化,②腫瘍体積の著明な減少が認められる,の条件を満たす場合は薬物の漸減,中止を試みてもよいとされる.2つ目は2011年Endocrine Society guideline(参考文献3)より,①2年以上PRL値が上昇しない,②MRIで腫瘍が認められない,の条件を満たす場合は同様に薬物の漸減,中止を試みてもよいとされている.
ガイドラインでも薬物療法中止を判断する基準が統一されておらず,さらに個々の論文では患者背景にもバラツキが大きい.しかし,いずれの論文においても①治療期間,②治療前・治療中・治療終了時のPRL値,③治療前・治療中・治療終了時の腫瘍径あるいは腫瘍の有無,④DAを漸減するか否か,などがポイントになっている.今後は論点を整理し,PRLomaに対するDA中止判断基準についてコンセンサスを形成していく必要がある.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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