クッシング病の微少腺腫の検出に造影FLAIRが有効

公開日:

2017年11月12日  

最終更新日:

2018年3月7日

Potential utility of FLAIR in MRI-negative Cushing's disease.

Author:

Chatain GP  et al.

Affiliation:

Neurosurgery Unit for Pituitary and Inheritable Diseases, National Institute of Neurological Diseases and Stroke, National Institutes of Health., Bethesda

⇒ PubMedで読む[PMID:29027863]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 Oct
巻数: [Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

クッシング病において微少腺腫をMRIで検出できるかどうかは,治療成績に大きな影響を及ぼす.これまでconventional MRIに加え,dynamic MRI,volumetric gradient recalled echo(3D-GRE)MRIなどの有用性が報告されてきた(参考文献1).本稿では23例(24病変)のACTH産生下垂体腺腫で,postcontrast 3D-GRE(以下3D-GRE)とpostcontrast FLAIR(造影FLAIR)を撮像し,造影FLAIRの有用性について報告した.

【結論】

3D-GREでは病理所見と照らし合わした陽性率(正しい腫瘍検出率)は18/24例(75%),偽陽性率は1/24例(4%)であった.造影FLAIRでは陽性率は12/24例(50%)で,偽陽性率は1/24例(4%)であった.
3D-GREで陰性であった5例のうち4例は造影FLAIRで陽性を示した.

【評価】

単純な陽性率から判断すると3D-GREが造影FLAIRに優り,3D-GREの方が有用という結果であった.しかし,特筆すべきは3D-GREで陰性であった5例中4例において造影FLAIRで陽性を示し,残りの1例も手術で病変を摘出できずに病理診断が得られていないが,造影FLAIRで病変を検出できている点である.つまり,造影FLAIRが3D-GREをうまく補足する役割を担っていることになる.
3D-GREは腫瘍が正常下垂体より遅く造影され,hypointensityを示すことを利用して病変を検出する.一方,造影FLAIRでは正常下垂体より腫瘍に遅くまで造影剤が残り,hyperintensityを示すことを利用している.この違いがうまく両者の相互補完関係を築いているのかもしれない.しかし,造影FLAIRの撮像時間は造影剤投与後30分前後が推奨されていることを考慮すれば、一回30分前後のスタディー時間内には終了しないことになるので、3D-GREやダイナミックスタディーで描出出来ない症例に限って、改めてMRI検査を実施せざるを得ない.
本研究では造影FLAIRで陽性を示す腫瘍の特徴を明らかにすることができず,今後の検討課題とされている.
また、本研究の対象は24病変と少なく,さらにマクロアデノーマも3例含まれている.今後さらに症例を蓄積し,本結果を追試していく必要がある.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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