公開日:
2017年12月7日最終更新日:
2020年12月21日Visual outcomes after endoscopic endonasal pituitary adenoma resection: a systematic review and meta-analysis.
Author:
Muskens IS et al.Affiliation:
Department of Neurosurgery, Brain Center Rudolf Magnus, University Medical Center Utrecht, Heidelberglaan, Utrecht, The Netherlandsジャーナル名: | Pituitary. |
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発行年月: | 2017 Oct |
巻数: | 20(5) |
開始ページ: | 539 |
【背景】
内視鏡下腫瘍摘出術で下垂体腺腫患者の視機能はどれくらい改善するのか,ユトレヒト医学センターのMuskensらは,これまで報告された35個のケースシリーズのメタ解析を行った.結果は固定効果モデルを用いた.
【結論】
術前に視力低下があった患者で,視力の完全回復は26%に認められた(1報告).視力の改善は67.5%(95% CI = 59.1–75.0%)であったが,かなりバラツキがあった(I2: 86%).悪化は4.5%(95% CI = 1.8–10.8%).
術前に視野障害が認められた症例において視野の完全回復は40.4%(95% CI = 34.8–46.3%),改善は80.8%(95% CI = 77.7–83.6%),悪化は2.3%(95% CI = 1.1–4.7%)であった.
【評価】
内視鏡手術の導入以降,下垂体腺腫に対する経蝶形骨洞手術後の視機能の改善率は向上してきている.従来から,下垂体腺腫に対する経蝶形骨洞手術後の視力の改善率は視野の改善率に劣るという報告が多かったが,このメタ解析で,そのことが確定したと言える.本文中では視野の改善に寄与する因子として術者の経験,視野障害期間の長さ,視野障害の強さ,年齢(若年)などの記載が報告されているが,統計学的に証明は出来なかった.
いずれにしても,本メタ解析の結果は,今後,内視鏡下経蝶形骨洞手術後の視機能改善・悪化の予測値として広く用いられると思われる.
因みに,この改善率は本記事執筆者の自験データと完全に一致した.
関連文献
- Bokhari AR, et al: Endoscopic transsphenoidal pituitary surgery: a single surgeon experience and the learning curve. Br J Neurosurg 27: 44–49, 2013
- Chi F, et al: A learning curve of endoscopic transsphenoidal surgery for pituitary adenoma. J Craniofac Surg 24: 2064–2067, 2013
- Leach P, et al: Endoscopic transsphenoidal pituitary surgery: evidence of an operative learning curve. Neurosurgery 67: 1205–1212, 2010"
参考サマリー