経蝶形骨洞手術後の低ナトリウム血症予防のためのパスは有効か:BNIにおける失敗

公開日:

2018年1月22日  

最終更新日:

2020年10月22日

【背景】

著者らは,2016年の前報で経蝶形骨洞手術を受けた患者の8.9%が30日以内に再入院し,このうち約半数が遅発性低ナトリウム血症(delayed hyponatremia:DH)が原因で,DHの患者では再入院までの期間は平均8日であることを報告している(文献1).この結果を受けて,著者らはDHの早期検出と管理のためのパス(DHケアパス)を作成し,その効果を検証した.パスの中心は退院時(術後2.7日)と術後5〜7日の外来で血清Naとcortisolをスクリーニングし,その段階で134 mmol/L以下の低Naが認められれば,プロトコールに基づいて,その重症度に応じた管理を行うというものであった.対象はパス導入後の188名とパス導入以前の患者229名.