DNAミスマッチ修復酵素の低下が下垂体腺腫の増殖を促進する

公開日:

2018年4月10日  

最終更新日:

2021年1月7日

【背景】

DNAミスマッチ修復蛋白(MMR)は,MLH1,MSH2,MSH6,PMS2,MLH3,MSH3などからなり,DNAの複製の際,エラーを発見し,修復する役割を持っている.DNAミスマッチ修復蛋白に遺伝子変異があると,「がん遺伝⼦」や「がん抑制遺伝⼦」の複製時のエラーが修復されず発癌につながる事が知られている.また,この蛋白の欠損・低下は,アルキル化剤などの抗癌剤の耐性メカニズムの1つであることが解っている.しかし,下垂体腺腫の増殖におけるこれらDNAミスマッチ修復蛋白の役割は解明されていない.和歌山大学のUrakiらは,下垂体腺腫におけるMMRのmRNAならびに蛋白の発現をPCRと免疫組織化学で評価し,下垂体腺腫の体積倍加時間(TVDT)との関係を検討した.対象は下垂体腺腫47例.