プロラクチノーマはT2-高信号を示す方がドパミンアゴニストの効果を期待できる:成長ホルモン産生腺腫との違い

公開日:

2018年4月11日  

最終更新日:

2018年4月17日

Clinicopathological significance of baseline T2-weighted signal intensity in functional pituitary adenomas.

Author:

Dogansen SC  et al.

Affiliation:

Division of Endocrinology and Metabolism, Capa, Department of Internal Medicine, Istanbul Faculty of Medicine, Istanbul University, 34090 Istanbul, Turkey

⇒ PubMedで読む[PMID:29460202]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2018 Feb
巻数: [Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

GH産生下垂体腺腫(GHoma)では,T2強調像(T2-WI)において低信号を示すとdensely granulated patternであることが多く,ソマトスタチンアナログ(SSA)に対する反応性がよいことが知られている(文献1).一方,GHoma以外の機能性下垂体腺腫におけるT2-weighted signal intensity (T2WSI)についての報告はまだ少ない.本稿では194例の機能性下垂体腺腫(GHoma 87例,PRLoma 78例,ACTHoma 29例)において,T2WSIと病理所見や薬物療法に対する反応性との関係について後方視的に検討した.

【結論】

Somatotroph adenomaでは,T2-低信号の場合,腫瘍は小さく,IGF-1値は高く,densely granulated patternが多く,SSA投与による腫瘍縮小効果とIGF-1低下幅が大きかった.女性のPRLomaでは,T2-低信号の場合,若年者で,腫瘍は大きく,PRL値は高く,ドパミンアゴニスト(DA)に抵抗性であることが多かった.Corticotroph adenomaでは,T2-低信号の場合,腫瘍は小さく,densely granulated patternが多かった.

【評価】

GHomaにおけるT2WSIと病理所見,臨床像との関係はこれまでの報告と同じ結果であった.本稿ではPRLomaにおいてもT2WSIと臨床像の関連性を示した点が興味深い.ただし,男性のPRLomaでは目立った相関は得られていないことを追記しておく.
GHomaではT2-低信号はSSAの効果が高いことを予測する因子であるが,PRLomaでは逆にT2-低信号はDA抵抗性を予測する因子となっている.本稿ではPRLomaの病理学的検討がなされていないが,PRLomaではsparsely granulated patternが多く,DAに対する反応性はよいとの報告がある(文献2).同じ機能性下垂体腺腫であっても,薬物療法の効果とT2信号値という観点からはGHomaとPRLomaでは真逆である点は興味深い.さらにPRLomaでは性差の違いもおもしろい.過去の文献では女性のPRLomaはT2-高信号を示すことが多いのに対し,男性のPRLomaは不均一な信号や低信号を示すことが多いとされている(文献3).今後,GHoma以外でもT2WSIの検討がさらに進められると思われる.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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