性ホルモンの低下はフレイルをまねく

公開日:

2018年4月11日  

最終更新日:

2018年4月17日

Reproductive Hormone Levels Predict Changes in Frailty Status in Community-Dwelling Older Men: European Male Ageing Study Prospective Data.

Author:

Swiecicka A  et al.

Affiliation:

Andrology Research Unit, Division of Diabetes, Endocrinology, and Gastroenterology, School of Medical Sciences, Faculty of Biology, Medicine, and Health, University of Manchester, Manchester Academic Health Science Centre, Manchester, United Kingdom

⇒ PubMedで読む[PMID:29186457]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2018 Feb
巻数:103(2)
開始ページ:701

【背景】

高齢化社会を迎えるなかで,フレイルに注目が集まるようになっている.フレイルは“frailty”の日本語訳で,①体重減少,②疲労感,③筋力(握力)の低下,④歩行速度の低下,⑤身体活動量の低下の5つの項目のうち,3つ以上該当する状態とされる.フレイルは要介護状態へ移行しやすい一方,適切に介入することによって,健康な状態へ戻るとされている(参考サイト1).本稿では欧州において,40~79歳の男性3,369例を4年以上追跡し,フレイルと性ホルモンの関係について前向き研究を行った.フレイルはfrailty index(FI)とfrailty phenotype(FP)の2種類で評価した.

【結論】

Free testosterone (fT)が高いと,FIが悪化するリスクが低かった.FPを用いると,優位な差は認めなかった.60歳未満ではLH・FSHが高いとFIが悪化するリスクが高かった.

【評価】

フレイルは複数の要因が重なって生じる状態と考えられるが,内分泌学的な要因も関係している可能性は高いと考えられる.筆者であるSwiecickaらは2017年のJCEMでも,IGF-1や25-hydroxyvitaminD(25OHD)が高いとFIが悪化するリスクが低かったことも示している(文献2).
下垂体機能低下症を有する高齢者がフレイルに陥りやすいことは容易に想像でき,フレイルにならないためにも,適切なホルモン補充が大切と考えられる.では本稿の対象のように,特定の疾患を有さずにtestosteroneが低下している高齢者に,補充を行ったらフレイルは改善するのか,また治療費用に見合う効果が得られるのか,これからさらに検討されることを期待する.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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