InvasionとProliferationに基づく5つのカテゴリー分類で下垂体腺腫の再発を予測できる

公開日:

2018年4月12日  

最終更新日:

2018年4月17日

Risk of Recurrence in Pituitary Neuroendocrine Tumors: A Prospective Study Using a Five-Tiered Classification.

Author:

Raverot G  et al.

Affiliation:

Fédération d’Endocrinologie, Groupement Hospitalier Est, Hospices Civils de Lyon, Bron F-69677, France

⇒ PubMedで読む[PMID:28651368 ]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2017 Sep
巻数:102(9)
開始ページ:3368

【背景】

2004年WHO分類で定義された異型性下垂体腺腫は必ずしも再発率との相関が高くないことから,2017年の新WHO分類で見直され,“agressive pitutiary adenoma”が登場した.しかし,agressive pitutiary adenomaの定義は明確ではなく,これからさらに検討していく必要がある.本研究ではMRIで海綿静脈洞あるいは蝶形骨洞へ伸展を認める腫瘍をinvasion(+),病理学的に①Mitoses,n>2/10HPF,②Ki-67≧3%,③p53 positive>10/10HPFの3項目のうち2項目以上を満たす腫瘍をproliferation(+)と定義した.365例の下垂体腺腫をinvasionとproliferationの有無で2×2=4つの群に分け,さらに転移を認める群を加えて計5つのカテゴリーに分類し,腫瘍の再発,再増大を予測しうるか前向きに研究した.平均追跡期間は3.5年.

【結論】

本分類法はprogression-free survival(PFS)を予測する有意な因子であった(p<0.001).とくにinvasionの有無がPFSに大きく関与した.また多変量解析においても本分類法は年齢(p=0.035)と腫瘍タイプ(ホルモン産生性)(p=0.028)以上に,再発・再増大を予測する独立した強力な因子であり(p<0.001),invasionとproliferationを認める症例は両者を認めない症例と比較して,そのリスクは3.72倍となった.

【評価】

2004年のWHO分類では,Mitoses,n>2/10HPF,Ki-67≧3%かつp53陽性を認める下垂体腺腫を異型性下垂体腺腫と定義した.しかし,異型性下垂体腺腫の頻度は報告によって大きな差があり,また必ずしも再発率との相関が高くないため,2017年のWHO分類で見直されることになった.本研究は2017年のWHO分類が発表される前にまとめられた.
本研究は海綿静脈洞や蝶形骨洞へ伸展する腫瘍は再発しやすく,Ki-67,p53,mitosesの評価によって増殖能が高いと考えられる腫瘍は再発・再増大しやすいという極めて当然の結果をうまく示した.転移の有無も含めた5つのカテゴリー分類(grade 1a: non-invasive, 1b: non-invasive and proliferative, 2a: invasive, 2b: invasive and proliferative, and 3: metastatic)は,既に本稿の筆者らによって,2013年に報告されている.同論文では410例の下垂体腺腫を後方視的に検討し,本研究と同様の結果を示している(文献1).本研究では前向き研究として改めて,それを証明した形になる.2018年には別のグループも120例の非機能性下垂体腺腫において,腫瘍再発予測における本分類法の有用性を報告している(文献2).この分類法は2004年のWHO分類で定義された異型性下垂体腺腫の定義とMRI所見とをうまく組み合わせており,再発を予測するツールとして簡便かつ有用と考える.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する