InvasionとProliferationに基づく5つのカテゴリー分類で下垂体腺腫の再発を予測できる

公開日:

2018年4月12日  

最終更新日:

2021年1月7日

【背景】

2004年WHO分類で定義された異型性下垂体腺腫は必ずしも再発率との相関が高くないことから,2017年の新WHO分類で見直され,“aggressive pituitary adenoma”が登場した.しかし,aggressive pituitary adenomaの定義は明確ではなく,今後さらに検討していく必要がある.本研究ではMRIで海綿静脈洞あるいは蝶形骨洞へ進展を認める腫瘍をinvasion(+),病理学的に①mitoses,n>2/10HPF,②Ki-67≧3%,③p53 positive>10/10HPFの3項目のうち2項目以上を満たす腫瘍をproliferation(+)と定義した.365例の下垂体腺腫をinvasionとproliferationの有無で2×2=4つの群に分け,さらに転移を認める群を加えて計5つのカテゴリーに分類し,腫瘍の再発,再増大を予測しうるかを前向きに研究した.平均追跡期間は3.5年.