コントロール良好の先端巨大症患者において,第1世代ソマトスタチンアナログ+ペグビソマントからパシレオチドへの切り替えが可能か

公開日:

2018年4月12日  

最終更新日:

2018年4月17日

Efficacy and Safety of Switching to Pasireotide in Patients With Acromegaly Controlled With Pegvisomant and First-Generation Somatostatin Analogues (PAPE Study).

Author:

Muhammad A  et al.

Affiliation:

Department of Medicine, Endocrinology Section, Pituitary Center Rotterdam, Erasmus University Medical Center, 3000 CA Rotterdam, The Netherlands

⇒ PubMedで読む[PMID:29155991]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2018 Feb
巻数:103(2)
開始ページ:586

【背景】

本研究は第1世代ソマトスタチンアナログ(SSA)+ペグビソマント(PEGV)の投与によりコントロール良好な先端巨大症患者61例を対象とした.まずPEGV投与量をbaselineの50%に下げ,12週後もIGF-1が正常範囲で維持した症例はパシレオチド徐放剤(PAS-LAR)単独(60mg/月)に変更し,IGF-1が正常範囲より高くなった症例は,PAS-LAR(60mg/月)に加えて減量したPEGVを併用した.以降,PEGVの増量は認めないが,IGF-1が正常値を下回る場合だけPEGVを漸減した.そして24週後のIGF-1値,高血糖の出現率などを検討した.

【結論】

24週後の時点で,IGF-1を正常範囲で維持できたのは45例(73.8%)であった.PEGV投与量は66.1%減少し,67.8%の症例でPEGVを中止できた.24週後の時点でIGF-1の正常化を維持した症例は,ベースラインのPEGV投与量が少ない症例であった.糖尿病の頻度はベースラインで32.8%であったが,24週後には約2倍の68.9%に上昇した.新たにインスリン治療を導入したのは3例であった.糖尿病の症例は,baselineのHbA1cが高い症例であった.

【評価】

本研究の着眼点は,①第1世代SSAからPASに変更することで,PEGVの投与量や投与回数を減らすことができるか?②PEGVの併用でPASの副作用である高血糖を抑制できるか?ということであった.結果としてPEGVの投与は減らすことができたが,糖尿病は2倍の頻度に増えた.SSAとPEGVを併用している患者にとって,PEGVの中止は, 毎日の皮下注射という負担の軽減に寄与することは言うまでもない.しかし,本研究ではコントロール良好であった先端巨大症患者の約30%弱がコントロール不良となり(PEGVは増量されていない),インスリンを含めた糖尿病治療が新たに約30%で必要になっている.本研究の結果をふまえると,安易にPASに変更することは控えるべきだと考えられる.しかし,少量のPEGV併用でコントロールできていて,もともとHbA1cが高くない症例に限ると,PASへの切り替えによってPEGVの減量・中止というメリットを享受できる可能性が示された.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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