MRIにおける下垂体後葉のT1高信号は皆見えるのか

公開日:

2018年4月24日  

最終更新日:

2020年10月28日

【背景】

Fujisawaらが発見した健常者に認められる下垂体後葉のT1高信号は(文献1),ADHを含む蛋白複合体(vasopressin–neurophysin II-copeptin complex)の貯留を反映しており,中枢性尿崩症患者では消失するため,画像による後葉機能の評価法として周知されてきた.しかし,健常者でもこの後葉高信号が見えない症例がある.その頻度は48%〜2.8%とバラツキが大きく,使用したMRI機種,撮像法,評価法によって大きな違いがある.Aachen大学のKlynらは健常者1017人(女性536人,男性481人)のMRI像を後方視的に検討し,使用機種(磁場強度:1.5T [64.51%] or 3.0T [35.5%]),撮像法(T1-SE echo with slice thickness 3 mm [67.5%] or 3D T1-GE with slice thickness 0.9 mm [32.5%]),年齢,性などの因子と後葉高信号の検出率の関係を検討した.