公開日:
2018年5月7日最終更新日:
2020年10月28日【背景】
Pit-1は下垂体ホルモンのうちGH,TSH,プロラクチン(PRL)の転写を活性化する核蛋白であり,Pit-1遺伝子異常は先天性のGH,TSH,プロラクチン欠損症を引き起こすことが知られている.
神戸大学のTakahashiらのグループは,これまでGH,TSH,プロラクチンの3系統が障害される成人発症の抗Pit-1抗体症候群の3症例を報告してきた(文献1,2).その機序として,Pit-1を特異的に認識する細胞障害性T細胞(CTL)が産生され,下垂体のGH,TSH,プロラクチンを産生・分泌する細胞を特異的に攻撃することが判っていた.しかし,何故,Pit-1に対する免疫寛容の破綻が生じるのかは謎であった.長い探求の末,彼らはついにその原因を突き止めることが出来た.
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