重症の先端巨大症に対するオクトレオチド 対 手術後オクトレオチドのRCT

公開日:

2018年5月7日  

最終更新日:

2018年5月15日

Surgical debulking of pituitary adenomas improves responsiveness to octreotide lar in the treatment of acromegaly.

Author:

Fahlbusch R  et al.

Affiliation:

University of Erlangen-Nurnberg, Erlangen, Germany

⇒ PubMedで読む[PMID:28825168]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2017 Dec
巻数:20(6)
開始ページ:668

【背景】

先端巨大症に対する,オクトレオチドLARと手術の治療効果の比較は,これまでも報告されているが,それらの多くは後ろ向きであったり,非ランダム化試験である(文献1,2).ヨーロッパと米国で実施された本RCTは,重症の先端巨大症(GH>12.5 ng/mL)のみを対象として,①治験実施施設,②GHレベル(12.5〜25 ng/ml or ≧25 ng/ml),③MRI上の海綿静脈洞浸潤の有無によって層別ランダンム化を行い,A群(薬物療法単独)(オクトレオチドLAR 30 mg, 4週毎×3か月)とB群(手術療法か手術によって寛解が得られない症例は薬物療法)に割り振った.症例数はA群:15例,B群:26例.エンドポイントはOGTt時におけるGH底値<1 ng/mL及びIGF-1値の正常化とした.

【結論】

A群では1例(6.7%)のみがエンドポイントを達成した.B群では手術単独で13例(50%)がエンドポイントを達成し,残りの13例うち7例(53.9%)が追加の薬物療法でエンドポイントを達成した.すなわちB群では,最終的に76.9%の頻度で,寛解を達成出来た.したがって,薬物療法単独と手術療法単独の比較では後者が圧倒的に効果的であり(p=0.006),外科治療後に薬物治療を加えると,さらに高い治療効果を得ることができた(p<0.0001).

【評価】

本研究は,重症の先端巨大症に対するオクトレオチドLARによる薬物治療と手術療法の有効性を比較した初めてのRCTである.血中GH値が12.5 ng/mLを超える重症の先端巨大症(GH中央値:51.1 ng/mL,全例がマクロアデノーマ,MRI上の海綿静脈洞浸潤率:34.6%)であっても,本試験に参加した高水準の下垂体センターでは,手術単独による寛解率は50%と高い.さらに,手術で非寛解に終わった症例に対してオクトレオチドLARを使用すると,最終的に76.9%の頻度で,寛解を達成出来る.
近年,手術での寛解が困難と予想される大型の成長ホルモン産腺腫に対する“primary medical treatment”の考え方が導入され(文献3),欧米では普及しつつあるが,本RCTはこのような大型腫瘍においても,経験豊かな術者による手術療法と薬物療法のコンビネーションが有効であることを明瞭に示している.
本研究では,薬物療法の効果が3コース終了段階で判定されているが,さらに長期(12ヵ月など)の治療であればより高い寛解率が達成出来た可能性がある(文献4).本試験のA群(薬物療法単独)患者におけるオクトレオチドLAR長期投与の結果とその後の手術療法の結果が明らかにされることを期待したい.

執筆者: 

鮫島芳宗   

監修者: 

有田和徳

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