T2強調MRIで高信号の成長ホルモン産生腺腫の特徴:ソマトスタチンレセプター,ドパミンレセプターとの関係

公開日:

2018年5月7日  

最終更新日:

2018年5月15日

Association between radiological parameters and clinical and molecular characteristics in human somatotropinomas.

Author:

Alhambra-Expósito MR  et al.

Affiliation:

Maimonides Institute of Biomedical Research of Cordoba, Córdoba, Spain

⇒ PubMedで読む[PMID:29670116]

ジャーナル名:Sci Rep.
発行年月:2018 Apr
巻数:8(1)
開始ページ:6173

【背景】

成長ホルモン産生腺腫におけるMRIの特徴は伸展方向やT2信号など,これまでも数多く報告されてきた(文献1,2,3).特にT2高信号の腺腫の生物学的特性については,sparsely granulated type,若年者,大型腺腫,海綿静脈洞浸潤,ソマトスタチンレセプター(SSTR)-2の低発現,血中GHの相対的低値,ソマトスタチン作動薬への感受性の低さとの関連が指摘されてきた(文献2,3).スペインCordobaのAlhambra-Expósitoらは新たにリアルタイム定量PCRに基づく分子指標も加えて,MRI画像と臨床像との関連を改めて検討した.N=22(男性41%;女性59%),平均年齢 42.1± 17.2(SD).

【結論】

T2強調像では59%が高信号で,41%が等信号であった.T2高信号の腫瘍は,等信号の腫瘍に比較してより,浸潤性(海綿静脈洞浸潤),トルコ鞍外伸展(鞍上部あるいは蝶形骨洞内)を示すものが多かった(p=0.023).SSTR-3とドパミンレセプター-5(DRD5)の発現はトルコ鞍外伸展あるいは鞍上部伸展と相関していた.T2高信号はDRD5の発現と関連しており(p=0.042),Knospスコアと直接に相関していた(p=0.013).Ki-67はT2高信号の腫瘍で高い傾向であった(p=0.095).

【評価】

本報告でT2高信号の腺腫の割合が,従来の報告よりは少し高いようだが,これは基準を側頭葉灰白質ではなく,正常下垂体としていることに起因しているかもしれない.どのような研究でもそうだが,MRIの信号強度を話題にする場合,基準とする正常構造は明確に意識されなければならない.
成長ホルモン産生腫瘍におけるT2高信号が浸潤性の高さや腫瘍径の大きさと関連していることは従来から指摘されているが,本報告では評価したドパミンレセプター(DRD1,DRD2,DRD4,DRD5)のうち,DRD5の発現がT2高信号と相関していた.またDRD5の発現はKnospスコア,腫瘍径と有意に相関していた(p=0.0076ならびにp=0.033).
T2高信号の成長ホルモン産生腺腫に対しては,オクトレオチドよりも幅広いSSTRアイソフォームに対して親和性を有するパシレオチドの術前投与の有効性が示唆されているが,今後はDRD5をターゲットとした治療の開発が課題になるかも知れない.

執筆者: 

藤尾信吾   

監修者: 

有田和徳

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