下垂体腫瘍の術中迅速病理診断:共焦点反射顕微鏡の利用は可能か

公開日:

2018年6月5日  

最終更新日:

2018年7月2日

Immediate ex-vivo diagnosis of pituitary adenomas using confocal reflectance microscopy: a proof-of-principle study.

Author:

Mooney MA  et al.

Affiliation:

Departments of Neurosurgery, Barrow Neurological Institute, St. Joseph’s Hospital and Medical Center, Phoenix, Arizona 

⇒ PubMedで読む[PMID:28548594]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2018 Apr
巻数:128(4)
開始ページ:1072

【背景】

下垂体手術の術中に,正常下垂体なのか,腺腫組織であるのか迷うことはしばしばあり,施設によっては,凍結標本による術中迅速病理診断で判断を下している.ただし,凍結や薄切に時間がかかり,迅速診断の結果が出るときには既に手術が終盤ということはしばしば経験される.Barrow Neurological Institute (Phoenix)では共焦点反射顕微鏡によってこの制限を克服できないかと考え,実用可能性を検討した.11例を対象に,術中の共焦点反射顕微像,凍結切片像,手術後に染めたHE標本像をもとに,正常下垂体か腺腫組織かの判別を行った.

【結論】

共焦点反射顕微鏡は,細胞密度,組織構築,核多形性,血管分布,間質を明瞭に示し,下垂体腺腫,正常下垂体ともにHE像と同様の組織学的特徴を示した.HE像による診断の結果を知らない病理医によるブラインド・レビューでは16イメージ中15イメージ(94%)で,下垂体腺腫と正常下垂体を判別した.

【評価】

共焦点反射顕微鏡に供するのは摘出した未加工の組織であり,凍結や薄切を経ないのでアーチファクトが少なく,その後,HE染色,培養,遺伝子学的検索に供することが可能である.本研究は原理証明実験であり,実際に診断までに要した時間を計っていないが,著者らは習熟によって診断までの時間を短縮し得ると予想している.実際に診断までに要した時間ならびに診断精度に関する,凍結病理診断やスタンプ細胞診との比較のデータを待ちたい.一方で,脳外科手術室内での共焦点顕微鏡や共焦点内視鏡の導入も試みられており,術中利用における今後の発展も楽しみである(文献1,2).

執筆者: 

有田和徳

メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する