非機能性下垂体神経内分泌腫瘍(nonfunctioning PitNET)とは何か:レビュー

公開日:

2018年9月10日  

最終更新日:

2020年10月28日

【背景】

昨年発行されたWHO classification of tumours of endocrine organs (第4版)(文献1)では非機能性下垂体腺腫は下垂体特異的な転写因子(SF-1,T-Pit,Pit-1)発現,ホルモン産生能(gonadotropine,ACTH,GH,PRL,TSH)によって8個の亜型(type)に分けられた.一方,同出版と同時にInternational Pituitary Pathology Clubは,従来の「下垂体腺腫」という呼び方の不適切さを指摘して,新たに「下垂体神経内分泌腫瘍(pituitary neuroendocrine tumor,PitNET)」という名称を提案しており(文献2),今後,この名称が普及する可能性がある.この名称変更の理由については評価の項でまとめるが,本稿も従来の非機能性下垂体腺腫ではなく新たに提案された非機能性下垂体神経内分泌腫瘍(NF-PitNET)という名称を用いて,それぞれの亜型の病理診断のポイント,臨床像,治療について,レビューしている.包括的で簡潔なレビューであるので下垂体腫瘍に携わる者が読んでおくべき必読論文である.