先端巨大症術後寛解後,高血圧や糖尿病はいつ頃までによくなるのか

公開日:

2018年11月29日  

最終更新日:

2018年11月29日

The comprehensive impact on human body induced by resolution of growth hormone excess.

Author:

Zhang Z  et al.

Affiliation:

Department of Endocrinology and Metabolism, Huashan Hospital, Shanghai Medical College, Fudan University, Shanghai, China

⇒ PubMedで読む[PMID:29386229]

ジャーナル名:Eur J Endocrinol.
発行年月:2018 Apr
巻数:178(4)
開始ページ:365

【背景】

先端巨大症に合併する糖尿病,高血圧,睡眠時無呼吸症候群は,先端巨大症の寛解に伴って改善することが知られている(文献1,2).しかし,その経時的変化は明らかにされていない.降圧剤を内服している先端巨大症患者さんは,先端巨大症術後に薬剤を減量あるいは中止する必要があるかもしれないが,注意すべき期間はどれぐらいかを知っておく必要がある.本稿では先端巨大症の手術で寛解が得られた24例において,術後1週間,1ヵ月,3ヵ月,6ヵ月,1年で代謝,循環,呼吸,臓器の形態などの指標を評価し,それぞれの経時的変化を明らかにした.

【結論】

空腹時血糖は術後1ヵ月まで低下し,HbA1cは3ヵ月目まで低下した.血圧は術後1週間で大きく低下した.降圧剤は7例で内服していたが,4例で不要となった.舌肥大は1ヵ月目には改善し,上気道の容積は増大し,睡眠時無呼吸症候群は6ヵ月目で55%の患者に改善を認めた.肺機能は術後変化を認めなかった.口唇や手の肥大は術後1週間で改善を認め,足の肥大は3ヵ月目で改善を認めた.

【評価】

血圧については夜間の拡張期血圧は術後1年を経過してもゆるやかな低下傾向を示しているが,全体的な血圧の低下幅は術後1週間が大きく,注意すべき期間は術後1週間と考えられる.糖代謝については,空腹時血糖は術後1週間で低下を示し,数週間目までは注意深く観察する必要があるとされている.これらの知見は,それぞれ薬物療法を行っている患者さんにおいては,低血圧,低血糖を避けるために有用な指標であるといえる.
本稿では心肥大,心収縮・拡張機能は術後1年で変化を認めたことを示した.一方,肺機能には変化を認めなかったとされている.肝臓,腎臓,脾臓,膵臓,副腎など臓器によって成長ホルモン正常化に伴う反応が異なる点も興味深い.臓器ごとにどのような変化が起こっているのか,術後1年目以降も代謝や臓器の形態は変化するのか,可逆的な糖尿病や高血圧を術前に見分けるポイントは何かなど,解明すべき課題は多い.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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