下垂体腺腫における腫瘍制遺伝子のプロモーターメチル化:35遺伝子の網羅的解析

公開日:

2019年2月12日  

最終更新日:

2021年1月7日

【背景】

下垂体腺腫ではドライバー遺伝子変異の存在が明らかなものは少なく,下垂体腺腫の発生と特徴的な形質の獲得には多数のエピジェネティックな変化が複合的に関与しているものと考えられている.これまでも幾つかの腫瘍抑制遺伝子発現と下垂体腺腫の関係が指摘されているが,網羅的な検索は少なく,その結果はしばしば相矛盾していた.スペインのチームは105例の下垂体腺腫(下垂体神経内分泌腫瘍,PitNET)を対象として,35個の腫瘍抑制遺伝子のプロモーター領域のメチレーションパターンと遺伝子発現を観察した.腫瘍のサブタイプ別の内訳はサイレント・ゴナドトロフ(sGT):35例,サイレント・コルチコトロフ(sCT):15例,機能性コルチコトロフ:15例,機能性ソマトトロフ:40例.