先端巨大症患者の閉塞性睡眠時無呼吸は治療によって改善するか:734症例のメタアナリシス

公開日:

2020年7月8日  

最終更新日:

2020年7月16日

Obstructive Sleep Apnea in Acromegaly and the Effect of Treatment: A Systematic Review and Meta-Analysis

Author:

Parolin M  et al.

Affiliation:

Department of Medicine, University of Padua, via Giustiniani, Padova, Italy.

⇒ PubMedで読む[PMID:31722411]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2020 Mar
巻数:105(3)
開始ページ:dgz116

【背景】

先端巨大症患者では,睡眠時無呼吸は20~80%の頻度で認められる(文献1).原因としては,舌の肥大,頭蓋顔面骨の変形,咽頭-喉頭軟部組織の肥大などによる閉塞性が2/3で,過剰なGH/IGF-1による呼吸中枢の障害が1/3である.治療によって,閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)がどうなるのか統一した見解はない.イタリアのパドヴァ大学のチームは,既報の24研究734症例に基づいてメタアナリシスを行った.

【結論】

OSAの有病率は,非活動性先端巨大症(INACT)では活動性先端巨大症(ACT)に比較して軽度低い傾向であったが有意差はなかった(効果量ES=-0.16,95% C.I. -0.47 to 0.15,k=10).無呼吸低呼吸指数(AHI)も両群で差がなかった.
一方,AHIを治療前・後で比較すると治療後は有意に改善していた(効果量ES=-0.36,95% C.I. -0.49 to -0.23,k=10,p<0.0001).

【評価】

すなわち,横断的解析では先端巨大症の活動性症例と非活動性症例ではOSAの有病率や無呼吸低呼吸指数(AHI)に差はないが,縦断的測定(longitudinal)データでは治療によって,AHIは有意に改善したという結論である.
OSAの有病率や無呼吸低呼吸指数(AHI)に差がなかったのは,おそらく治療によって非活動性となっても,長期の高GH/IGF-1血症による骨,軟部組織などの変化は容易に正常化しないことを反映しているものと思われる.
早期発見・診断の重要性と同時に,先端巨大症患者ではGH/IGF-1正常化後も長期にわたってOSAを含めた併存疾患(comorbidity)のモニタリングと必要な治療介入を続けなければならないことを改めて示している.

執筆者: 

有田和徳

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