家族性単発性下垂体腺腫患者や若年下垂体腺腫患者におけるAIP遺伝子変異検索に臨床的意義があるか

公開日:

2020年11月16日  

最終更新日:

2021年5月29日

【背景】

家族性に発生する下垂体腺腫のうち,MENなどのように他の内分泌臓器の腫瘍を伴っていないものは家族性単発性下垂体腺腫(FIPA)と呼ばれ,そのうち約20%にはAIP遺伝子の生殖細胞変異が認められる(文献1).この変異は,孤発性下垂体腺腫患者でも3~4%で認められる(文献2,3).本稿は,下垂体腺腫におけるAIP遺伝子変異スクリーニングの意義についての欧州中心の多施設研究である.FIPA患者と30歳以下の若年発症の孤発性下垂体腺腫患者を対象にAIP変異を検索し,さらに同遺伝子変異陽性患者の一親等血族を対象にAIP変異を検索した.1,477例の下垂体腺腫でAIP遺伝子変異の有無が明らかになった.