公開日:
2020年12月29日最終更新日:
2021年2月13日【背景】
下垂体の腫瘍性病変の治療後に生じるトルコ鞍空洞に視交叉が陥入(視交叉ヘルニア)し,視機能が低下することがある.これに対して視交叉固定術が行われているが,その効果は必ずしも一定していない.エクス-マルセイユ大学のGraillonらは自験例を報告するとともに,既報の視交叉固定術実施24例を基に,視交叉固定術の効果を左右する因子を検討した.自験例は巨大な非機能性下垂体腺腫,のう胞性マクロプロラクチノーマ,トルコ鞍部くも膜のう胞の3例で,経蝶形骨洞的に視交叉固定術が施行された.1例はトルコ鞍内に挿入した脂肪組織の早期吸収のため再手術が必要であった.1例で視機能が部分回復し,2例では不変であった.
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