TSH産生腺腫に対するソマトスタチン作動薬で生じるTSH分泌不全症:その頻度と意義

公開日:

2021年4月26日  

最終更新日:

2021年7月26日

【背景】

TSH産生下垂体腺腫に対するソマトスタチン作動薬(SRL)の効果は高く,70~100%の症例で甲状腺機能は正常化し,20~70%で腫瘍サイズの縮小が得られるが,まれにTSH分泌不全症(TSHD)の出現が報告されている.本研究はフランス国内11施設による共同研究で,SRLによるTSHDについて後方視的に検討したものである.対象はSRLによる治療が行われたTSH産生腺腫の46例で,そのうち21例では初期治療として用いられた.TSHDはfT4の正常下限以下とTSHの非上昇と定義した(文献1).