非機能性下垂体腺腫の術後尿崩症のリスク因子は若年者と大きな腫瘍径とトルコ鞍内に存在するT1高信号:広島大学連続333例の解析

公開日:

2021年8月9日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

尿崩症は下垂体腺腫術後管理の重要な課題であるが,発生頻度は7.5~54.2%と報告によってかなり幅が広く,またそのリスク因子も詳細ではない.広島大学のKinoshitaらは経蝶形骨洞手術を行った自験の連続333例の非機能性下垂体腺腫を対象に術後尿崩症の臨床像とリスク因子を求めた.多尿,低比重尿,口渇の3つが認められ,ADH投与を要した状態を尿崩症と定義した.術前から尿崩症があった4例は対象から除外されている.手術前のMRIにおいてADH分泌顆粒を示すT1強調で高信号(以下,T1高信号)の位置を,鞍上部158例,鞍内146例,消失16例の3群に分けた.