内視鏡時代の巨大下垂体腺腫の治療:USCとウィーン大学の64例

公開日:

2021年9月3日  

最終更新日:

2021年12月10日

【背景】

腫瘍径4 cmを超える巨大下垂体腺腫の治療には難渋することが多いが(文献1,2),内視鏡の導入はコントロールの可能性を拡大している(文献3).本稿は米国USCとウィーン大学で2004年以降に内視鏡下で初回手術が行われた径4 cm以上で体積が10 cm3以上の巨大下垂体腺腫64例の治療成績である.平均年齢51歳,男女ほぼ同数,平均腫瘍径47 mm,非機能性腺腫57例(89%),下垂体卒中11例(17%),視機能障害55例(86%),複視7例(11%),頭痛36例(56%),汎下垂体機能低下10例(16%).摘出度はGTR:MRI上の残存腫瘍がない,STR:80%以上,PR:80%以下の摘出とした.