経鼻内視鏡手術後の視力低下の原因と対処法:ワイルコーネル医科大学連続1,200例の解析

公開日:

2021年11月8日  

最終更新日:

2022年2月2日

【背景】

下垂体領域の手術後に,予期に反して視機能の悪化が起こることがある.その報告頻度は1~30%と対象疾患や手術方法によってかなり幅が広く(文献1,2,3),その機序,治療指針,転帰も十分に明らかではない.ワイルコーネル医科大学脳外科は,これらの課題に応えるため,過去10年間に実施した1,200件(内訳:下垂体腺腫51%,髄膜脳瘤8.6%,髄膜腫8.4%,頭蓋咽頭腫7.3%など)の内視鏡下経蝶形骨洞手術を後方視的に解析した.
全患者では1.75%(21例)の頻度で手術後の自覚的な視機能低下が認められた.腫瘍別では頭蓋咽頭腫7.7%,髄膜腫5.4%,下垂体腺腫1.9%の頻度であった.