非機能性下垂体腺腫摘出術後の成長ホルモン分泌能回復の予測因子はなにか:連続276例の解析から

公開日:

2022年2月16日  

最終更新日:

2022年10月4日

【背景】

非機能性下垂体腺腫は成人発症成長ホルモン欠損症(AGHD)の最大の原因であるが(文献1,2,3),摘出手術後にGH分泌能が改善するものや,むしろ悪化するものがある.広島大学のKinoshitaらは過去15年間に経蝶形骨洞的摘出術を実施した非機能性下垂体腺腫患者276例(男性143例,年齢中央値60歳)を対象に,手術後の成長ホルモン分泌能回復に及ぼす因子を検討した.GH分泌能の評価は,手術前と3ヵ月後のGH負荷試験(ITTあるいはアルギニン負荷)に基づいた.負荷試験におけるGH頂値<1.8 ng/mLをGHDと判定した.