閉経前女性の機能性ゴナドトロピン産生下垂体腺腫の臨床像と分子学的特徴:KISS1mRNAが高い

公開日:

2022年8月10日  

最終更新日:

2023年3月7日

【背景】

ゴナドトロピン産生腺腫は転写因子SF-1を発現し,組織学的にゴナドトロピンの産生能を示すが,大部分はホルモン過剰症状を呈さず,いわゆる非機能性下垂体腺腫に含まれる(文献1).しかし極くまれに,ゴナドトロピン過剰による臨床症状を呈することがあり,これを機能性ゴナドトロピン産生腺腫(FGA)という(文献2,3).北京協和医院のWangらは,自験の12例の閉経前女性(平均年齢32歳)のFGAを報告している.11例はFSH優位型(FSH/LH比≧1)で,エストラジオールが高値(中央値1,353 pg/mL)にもかかわらず,FSHが抑制されていなかった(平均12.45 IU/L).1例はLH優位型であった.