頭蓋内胚腫治療後の成長ホルモン補充療法は安全か:73例,14.3年の追跡から

公開日:

2022年9月25日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

頭蓋内胚腫(ジャーミノーマ)患者に対する成長ホルモン補充療法(GHT)による腫瘍再発や二次性腫瘍の発生のリスクに関するエビデンスは未だ充分とは言えない.広島大学のKinoshitaらは,1985年以降に治療を行った自験の頭蓋内胚腫の連続78例中,1年以上の経過観察が可能であった73例(年齢中央値15歳,男性61例)を対象に,成長ホルモン補充が胚腫再発や二次性腫瘍の発生に与えるリスクを検討した.追跡期間中央値は14.3年(1.2~32.5).16例(21.9%)がGHTを受けた.GHT群では,神経下垂体に病変を有し,複数の下垂体ホルモン補充を受けている患者が有意に多かった(ともにp<.0001).