腺腫が接している海綿静脈洞内側壁も除去すれば機能性下垂体腺腫の治癒率は向上する

公開日:

2022年9月30日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

下垂体腺腫では,術中観察で見えないくらい微小な硬膜への腺腫浸潤が,病理学的に観察されることは良く知られている(文献1~4).
森山記念病院のIshidaらは機能性腺腫に対してこのことを意識した手術を行っている.本稿は,過去約4年間に内視鏡下経蝶形骨洞手術を行ったGH産生腺腫134例,ACTH産生腺腫70例などの機能性腺腫248症例における手術成績の解析である.
術中観察に基づいて,対象は,グループA:腺腫が海綿静脈洞内側壁に接していない92例,グループB:腺腫が海綿静脈洞内側壁に接しており微小浸潤の可能性が否定出来ない102例,グループC:腺腫の海綿静脈洞内浸潤が明瞭な55例の3群に分類された.