脳室シャント後の下垂体の腫大

公開日:

2023年3月6日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

特発性低髄液圧症候群では下垂体の腫大が起こることは良く知られている(文献1,2,3).水頭症に対するシャント術後でも,同様の病態が生じるはずであるが,その実態は意外に知られていない.エッセン大学脳外科は自験例を基にこの問題を検討した.対象は非腫瘍性水頭症に対するシャント術後の15例と小児脳腫瘍に対するシャント術後の7例の合計22例(女性15例,平均年齢22歳).22例全体の下垂体の上下径平均値は8.5 mm(range:6.1~13.2),体積は444.8 mm3(231.8~679.5)であり,年齢が一致した健常者(文献4)より有意に大きかった(上下径t値=5.91;p<.001,体積t値=3.03;p=.006).