無症候性下垂体微小腺腫は5年間の追跡期間で3割が大きくなり2割が小さくなる:ハーバード大学関連病院の177例

公開日:

2023年3月27日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

画像検査上は下垂体腺腫が偶然に発見される頻度は10-40%とされているが(文献1,2,3),その多くは微小腺腫である.このように偶然に発見された下垂体微小腺腫の自然史は十分にわかってはいない.本稿はハーバード大学関連の病院で,2003年以降17年間にMRIで無症候性の下垂体微小腺腫と診断された414例中,2回以上(平均3.8回)のMRIが実施された177例(女性72%,中央値4 mm)を対象として,下垂体微小腺腫の自然史を解析したものである.追跡期間中央値4.9年.追跡期間内に10例が手術を受け,その理由はACTH産生腺腫5例,GH産生腺腫1例,頭痛1例,性腺機能低下1例,理由不明2例であった.