PIT-1発現下垂体腫瘍はKnospグレード 0–2でも海綿静脈洞壁に浸潤しやすい:スタンフォード大学

公開日:

2023年5月24日  

最終更新日:

2023年11月28日

【背景】

WHO内分泌腫瘍第5版では,下垂体腫瘍(PitNET)は下垂体転写因子発現によって分類されることになった(文献1,2).それでは,この転写因子発現と海綿静脈洞浸潤の関係はどうか.スタンフォード大学脳外科チームは,2018年から2022年に経鼻内視鏡下摘出術が実施された初発の下垂体腫瘍169例における下垂体転写因子発現と海綿静脈洞浸潤の関係を解析した.症例の内訳はPIT1:64例,TPIT:38例,SF1:62例,Null:5例であった.
海綿静脈洞浸潤は,手術時の内視鏡下観察所見と,著者らの採用する積極的な海綿静脈洞手術戦略により採取された海綿静脈洞内側壁の組織学的所見に基づいて判定された.