サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)によるクッシング病の治療

公開日:

2023年11月7日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

E2F1-サイクリンEシグナルの過剰はACTHの前駆物質であるPOMCの転写とACTHの産生を促進する.
前臨床研究では,サイクリン依存性キナーゼE阻害剤であるセリシクリブ(ロスコビチン)がACTH産生腫瘍細胞の増殖とACTHの産生を抑制することが報告されている.本稿はシダーサイナイ医療センター(LA)で実施された新規診断,非寛解,あるいは再発のクッシング病患者を対象とした2相試験の結果である.9例に対して経口セリシクリブ400 mgが朝・夕1錠ずつ週4日間,連続4週間投与された.一次エンドポイントは,投与終了時の24時間尿中フリー・コルチゾル総量(UFC)の正常化(≤50 μg)とした.