非機能性下垂体腺腫の全摘出後,どのくらい経過観察すれば治癒と判定できるのか

公開日:

2024年1月10日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

非機能性下垂体腺腫(NFPA)の肉眼的全摘後の再発は,10年以内の追跡では5%未満と低い(文献1).では,もっと長期に追跡したらどうなのか.また肉眼的全摘出後に,ここまで再発がなければその後の経過観察は不要という安全域はあるのだろうか.バージニア大学脳外科はこの問題に答えるため,コレスポンディングオーサーのJA Janeが2004年から2018年の間に肉眼的全摘を達成したNFPA 148例を後方視的に追跡した.患者年齢中央値57歳,腫瘍体積平均値3,076 mm3,Knospグレード0-2は86.5%,グレード3は13.5%であった.追跡期間は14-217ヵ月で中央値は91ヵ月.